逆流性食道炎は、胃酸を含む胃内容物が食道に逆流することで引き起こされる病気です。この疾患は、成人の約10人に1人が罹患しているとされ、過去50年で患者数が増加しています。
当院は月曜日から土曜日まで午前中は胃カメラをおこなっています。
紹介状なしで受診可能です(無料)
逆流性食道炎は、胃酸を含む胃内容物が食道に逆流することで引き起こされる病気です。この疾患は、成人の約10人に1人が罹患しているとされ、過去50年で患者数が増加しています。
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逆流性食道炎の主な原因は、食道内での酸の曝露です。酸にさらされる時間が長くなるほど、食道の炎症が悪化し、粘膜に損傷を与えます。
この病気には、GERD(逆流性食道炎)とNERD(非びらん性胃食道逆流症)という2つのタイプがあります。
また、慢性的な逆流は、食道下端の粘膜が腸粘膜のように変化する「バレット食道」につながります。
●GERD
GERDは、胃酸の逆流により食道粘膜が損傷する状態です。内視鏡検査で粘膜の傷害が確認され、症状は軽症から重症までさまざまです。
治療は、GERDの重症度に応じて主に内服薬で行います。
●NERD
NERDも逆流症状を伴いますが、内視鏡では食道の粘膜損傷が認められません。酸の逆流に加えて、食道の感覚過敏が原因として指摘されています。
治療はGERDと同様に内服薬を使用します。
逆流性食道炎では、胃酸の逆流に伴う定型的な症状から、一見関係がないように思える非定型的な症状まで多様な症状が現れます。
定型的な症状でも一部は他の疾患でも見られるため他疾患の存在について確認が必要です。
特に非典型的な症状の場合は心疾患などの緊急性の高い疾患の除外が必要です。
定型的症状
非定型的症状
逆流性食道炎の原因には、胃酸分泌の過多や食道下部の括約筋の圧力低下、腹圧の上昇などがあります。
これらの要因を引き起こす生活習慣には、過食、肥満、ストレス、脂肪の摂取増加、円背、激しい運動、薬剤の使用、飲酒、喫煙などが含まれます。
逆流性食道炎の診断には胃カメラ(内視鏡)が必須です。内視鏡の所見に基づき、食道粘膜の損傷の程度を判断します(軽症から重症)。
粘膜の傷害がない場合は、症状に基づいてNERDの診断を行います。
また、食道下端の粘膜が腸粘膜様に置き換わっている場合は、バレット食道の診断がなされます。
治療は内視鏡の所見や症状に応じて薬物療法を行います。主に胃酸を抑える薬や胃運動改善薬が使用されます。
症状の経過を観察しながら、薬の種類や量を調整します。胃運動改善薬は、胃酸を抑える薬に補助的に使われることが多いです。
薬物療法でコントロールが難しい場合は、他の疾患の可能性も検討する必要があります。
逆流性食道炎の炎症が持続する場合は背景に悪性疾患が潜んでる可能性があります。
また、慢性的な炎症が持続すると癌の母地となるリスクがあります。適切な内服加療や定期的な胃カメラによる観察が必要です
参考文献: 胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021(改訂第3版)日本消化器病学会